2010/01/31

あのときの歌 彼の佇まい


追いコンがあった。
今年も四年生を見送った。

友達が、ひとり留年した。
留年を覚悟して、その通りになった。
卒業だって出来たのだ、本当は。
なんとかなったのだ、本当に。
でも、残ることを選んだと言う。

見送る側になった彼も、
追いコンにはきちんと来ていた。
そして賑やかに過ごしていた。

二次会で、カラオケに行った。
こういう集まりのカラオケはとても嫌いなのだ。
とても窮屈に思えてならない。
そんなに無理しなくたって、
好きなものを、好きな時に歌えばいいじゃないか、と思ってしまうのだ。
さっきの彼がマイクをとった。
歌の少し前に、話し出した。

僕は、留年することになった。
だから、皆と一緒に卒業はできない。
だけど、四年間こうして一緒に過ごせて、本当に感謝しています。
僕はまた、ここで頑張ります。
みんなどうもありがとう。

そう言ってから歌い始めた。
ケツメイシの、手紙/未来。

なんだ、ケツメイシか、と思わないでほしい。
心から素晴らしかったから。
彼は最後逃げなかった。
今までよく逃げていた彼が、最後は逃げなかった。
凄いと思った。
僕は、それが出来なかったから。
一緒に入学した同級生が卒業した時、
僕は何も出来なかった。
ありがとう、さえ言えなかった。
とても後悔した。
突然休学して、できるだけ関わりを避け、
最後まで逃げて終わってしまった。

彼は一生懸命自分の友達に伝えようとしていた。
そんな彼を見て、泣いた。
本当にすごいと思った。

隣に座っていた今の同級生が、
絶対一緒に卒業しよう ってほんとに小さく言って、
こっそりハンカチを渡してくれた。
彼の歌を聞きながら、
うん、とだけ伝えた。

うん、絶対にそうする。
絶対にそうしたい。
ありがとう。

あれからしばらく、
あのときの歌が、彼の佇まいが、頭から離れない。

まだ見たことない 未来で
勇敢に戦う 俺がいる
きっとそうだろ どうなの?
未来の俺らの 状況は!?

まだ見たことない 未来で
勇敢に戦う 俺がいる
きっとそうだろ どうなの?
未来の俺らの 状況は!?
(手紙/未来)


2010/01/27

そしたら、はい。



やさしい人はやさしい匂いがするんですか?


とバイト中思った。
今日はバイト先が寒かった。
いつもは働いているととても暑いので、薄着で行った。
そしたら寒かった。
あーれー?
寒い。


そしたら、はい。と、カーディガンを貸してくれた。
腕っぷしの逞しい、やさしい人なのだ。
そして着てみたら、ふわっとやさしい匂いがした。
ぬーわーいい匂い。
それで働きながら、
優しさは体臭にもなるのか、について、考えた。
僕はみそ汁くさい。
みそ汁は優しいだろうか。
と一瞬頭をよぎったけれど、あえて考えないようにした。


2010/01/26

ている。風が。





家が微かに揺れている。
風が吹いているのだ。
とても強い風が。


この家は、外見に反してめっぽう脆い。
打ちっぱなしコンクリート風の外壁は、
まさに、「フウ」その名の通りだし、
壁が薄いので隣の人とは既にソールメイト。
現代が生んだ、見せかけの代物です。


そんな愛する我が家が今、揺れているのだ。
いつものことなので、
あまり気にはしないが、
今日は窓に当たる風の音がいつもより大きい。


さて、終わらせよう。


起承転結がないとでも?
見ようによっては、どこかに隠れているのだ。
探せば、ある、やも。


2010/01/23

ハヤト


一目惚れに近いと思う。
彼が大学に入学したとき、僕はちょうど大学に復学した頃で、
本当にひとりぼっちだった。


書道学科が嫌いだった。
いいことなんてここでは何もなかった。あの時は。
徳島の、その中でも田舎の山から、
なんのために上京してきたのか。
友達に見送られ、家族に見送られ、
有名になって来い なんて本気で言われてたっけ。
心を閉ざしていて、でも、愛想は振りまくから、
にこにこしながら、誰も信用なんてしてなかった。


そんな時、彼が入学してきた。
あのときは髪がまだ長かったように思う。
特別な人に出会う時は、もう初めから決まっているような感覚になる。
中山の時もそうだった。
もう、初めから決まっている。そう思える大切な幾人かの出会いを重ね、
彼に会った時もそういう風に思っていた。それはもう勝手に。


とてもおもしろかった。
僕も人から頭が悪いと言われるけれど、
それをしのぐ頭の悪さを持ち、
そしてそんなことをもっとしのぐ、愛嬌を持っている。


少し、大学が好きになった。
少し、人を信じるようにもなった。
知っていることは教えようと思った。
一緒に卒業したいと思った。


彼と出会い、
その周りの友達とも友達になった。
やっぱり外せないので、キョンのことも書いておく。
物凄いスピードで、僕の中に入ってきた。
最短記録かもしれない。
八重歯がかわいいのだ。
そして後輩にはモテモテで、
でもハヤトに心から嫉妬しているカワイイ奴なのだ。
ハヤトやキョンと過ごす時間は、心から居心地のいいものだった。


そんな彼らが、卒業する。
一緒に卒業しよう、と言ってくれた今の四年生。
でも僕は一緒に卒業できなかった。
それが分かった二年前に今年の分も泣いておいたので、
もう泣かない。
きちんと送り出そうと思う。
僕もきちんと卒業しようと思う。


木曜日、大学が終わった。
その最後の日、図書館で。
カメラを向けるととても照れていた。
でも残せてよかった。


きっとまた会う。
二人は院に合格してくれるはずだ。(絶対合格しろ)


僕を変えてくれたのは、間違いなくふたりだと思う。
この四年本当に楽しかった。
ありがとう。


2010/01/21

最後にどこか





就職活動が、始まっている。
あまりに急いでいるわけでもないが、
それでもどこかへ追われるような気持ちになり、
手汗をかく。


この前、パーソナルシートを郵送した。
表書きはもちろん筆で書く。
気合いを入れるのだ。


記念に写真を撮った。
拡大してみた。
赤いペンで「パーソナルシート存中」と書いてあった。
僕の顔も赤いペンになる。
恥ずかしいのでその写真は載せない。
別のにする。


一見頭が良さそうだと言われる。
最後にどこか、やっちまうのである。


1



深い茶の湯のみをつくりました。
いびつな形をして、ちょっと傾いて。
でも、なんだか好きだったな。
手元にはもうないけれど、きっといい旅になるでしょう。




0



青い色の湯のみを作りました。
少しぐらぐらしていました。


それでも何週間か前、
ろくろの前に座って、
指先を見つめながら作ったあの時間はとても素敵なものでした。




2010/01/20

ここにいる どこかにいる

課題で作ったPV。
くるり
ばらのはな




飛ぶ像



竹とんぼというものを、
今日、確実に、すっぽりと、見直した。
もう、ぽかーんといった具合に。


竹とんぼがものすごく飛ぶことをご存知だろうか。


今日の美術の時間、七宝焼をしながら、
机の上に大量の竹とんぼの翼部分が置いてあることがとても気になった。
それで聞いた。


はて、これは一体。
そうしたら、竹とんぼについて、とてもよく話してくれたのだ。
この竹とんぼが飛ぶと、それはもう、圧巻だぞ、と。


へー。と言いながら、そうかそんなに良く飛ぶのか
とふわふわ飛ぶ像を想像した。


たぶんその想像を先生は食べた。


そんなもんじゃあないぞ。
見てみるか。
外に行こう。


それは翼だけの竹とんぼだった。
柄はついてない。
飛ばすときは、竹でつくってある、長いひもがついた筒を使った。


数分後
僕は青空を大きく仰いだ。


う           わ            ー


こんな感じの開放感だった。
学校の屋上なんてとっくに越えた。
もう興奮。大興奮。
今日は快晴だった。


冬の青空
僕はいつまでも、空を仰ぎ見ているような、
そんな気分になった。


美しい空だった。
美しい飛行だった。




2010/01/13

冷え込んだ空気と、なんだか



年が明けて、
今日が一番寒かったように思う。


雨が降っていた。
しだいにみぞれに変わり、雪になった。




玄関を出ると、
冷え込んだ空気と、
なんだか どたどた と音を立てるみぞれ。


あ、みぞれって、やっぱり雨とは違う。
そんなことをぼんやり思った。


うるさいなあ と思った。
傘をさす頃には
割と趣きがあるなあ と気変わりした。


雪に変わったのは美術室の窓の景色。


小さい作業をしながら、ふと顔をあげると、雪に変わってた。
あ 雪だ
そう小さく言って、また手元に見入る。


うるさいなあ、趣があるなあ。
とみぞれに思い、
あ 雪だ
しか雪には思わなかった。


今日はみぞれの勝ち。
そんな日がたまにはあってもいい。


2010/01/08

少し甘く 少し枯れて





遠くを見る度に、
心の奥がぎゅっとなる時がある。
少し甘く、少し枯れて、少しくもりかかったガラスのような。
でも温かいのだ。


もう6年前。
この場所でこの仲間と過ごした。
徳島という日々。
早く抜け出したいと願っていたけれど、
この仲間がいなかったら
僕はもっと早く遠く消えていたかもしれない。


卒業後、
皆、それぞれ違う場所へと進んだ。
一人は高知へ、一人は島根へ
一人はアメリカへ、そして僕は東京へ。
連絡はほとんど取らない。
ただ、こうして、誰かが地元へ戻ったときは
誰ともなく必ず連絡してきて、集まる。


あいつら、元気かな
ふとそう思う。
たぶん、元気だろう
そして納得する。


この冬、
久々にここへ来た。
僕の地元の、山の上にある公園。
おやすパーク というなんともな場所だ。


鬼ごっこをした。
それはそれは走った。
吐くかもしれない、と思うくらい。
足は、もう十分に上がらなかった。
だけど、大きな声をあげて、
24になったぼくらは、それはもう真剣に鬼ごっこをした。


一人はもう子供がいる。
時間め一杯一緒に居られなくなりつつあるけど、
そうか、こうやってこれからも進んでゆくんだな、
と思う。
あの頃も楽しかったけれど、
今は今でとても楽しい。


一人が おい、叫ぶぞ
と言い出した。
前にも聞いたことのあるフレーズだ。


えーとか言いながら、
少しドキドキした。


本気で照れた。
6年経って、叫ぶということをどこかに置いてきていた。


山の上から皆いろいろと叫び、
少しの気恥ずかしさを心に残して
僕らは帰った。


一人帰り、じゃあな。
また一人帰り、またな。
なんて言って。


また会えることを知っている。
どこかで元気にやっていることを知っている。


また 会おう。




小田くん




年末、10時間の夜を越えて、実家へ帰ってきた。
毎回会う、僕の友達、小田くん。


僕らは違う高校だった。
小田くんは書道の高校へ進み、
僕なんかよりも、素晴らしく優秀だった。
彼女の存在は他の人から聞いていて既に知っていた。
それで、汽車(徳島は汽車なのです)の中で初めて話をした。(と思う)


小田くんは、まさしくマドンナだった。
僕の高校でも、他の高校でも、
汽車で通っている高校生ならたぶん皆知っている。
マドンナだったので、
僕はとても迷惑した。
小田くんと話をすると、嫉妬の嵐なのだ。


僕はかわいい子は好きだ。
異性としてではなく、見るものとして、かわいいのはいい。
小田くんの他にも1、2を争うかわいい子は地元が同じなので仲が良く、
これまた本当にたくさん被害を受けたのだ。
一緒に帰ったりなんかすると、他校の高校生から野次を飛ばされた。


言っておけ、この獣ども。
俺はかわいこちゃんより獣のオマイラがタイプなのじゃー!


なんて心の中で思ったり思わなかったり。
小田くんはとてもいい書道の技術を持っていた。
うまかった。
だけども今は美容師をしている。
もし一緒に書道の大学へ進んだら、
僕の大学生活も少しは健全なものになっていたかも、と思う。


小田くんは何故か僕にとてもやさしい。
わがままだってハイハイと聞き流し、
たこ焼きだって食べに連れて行ってくれる。
僕の家族も小田くんが好きだ。


そんな小田くん。
あー早くまた東京に戻ってこないかな。


2010/01/07

年 開く



                  (としひらく 寅)


年 暮れた


年 ひらいた




明けましておめでとうございます。
しばらく何も書かず、
書けかけとのメールにも沈黙を。


年の瀬はとても寒く、
新年のはじまりには、
雪が降っていました。


今年最後と初めの雪を見ながら、
人はろうそくの火のようだなあと、思いました。


年の初め
どうか良い年を。


これからも宜しくお願いします。