2010/06/19

六月十七日の箱


最終選考に持っていった箱を、
ここに残して、もう片付けることにする。
走り抜いた4ヶ月。
とてもいい経験になった。
誰に向かって、ではないんだけど、
本当にありがとう。
こんなにたくさんのことを考え、制作し、そして落ち込んだり、
うれしがったり、勇気を持ったり。
こんな大変な選考、もう一回したいとは全く思わないけど、
全部楽しかった。

今回の選考中、書道をやっているのになぜ?ということを繰り返し聞かれた。
自分にとっての書道。
それは何かをつくるための、一つの選択肢、方法なのだ。
映像を作ろうと思えば、筆ではなく、パソコンを使う。
絵を描こうと思えば、絵の具を取り出す。
ただ、こうして書道を長い間こだわってきたのも事実で、
それはたぶん、言葉を扱うという点にある。
書道をしている、のではなく、言葉を書いている。
言葉を操って、まるでバケツをひっくり返すように、言葉、文字を紙の上にバラまくのだ。
頭の中が箱のようだと思うのは、一つ一つ、箱を開けるように、頭の中で方法を選んでいる。
文字を書く箱、色の箱、動かす箱。
一つひとつ違うけれど、カマムラカズキという箱の中にきちんと収まっている。
今回、箱をテーマに選んだ理由はここにある。
では、紹介する。


「六月十七日の箱/鎌村和貴」



0. 「墨の数字」
これは作品としてではなく、プレゼンテーションの道具の一つとして持って行った。
作品の前に数字を置く、ただそれだけ。無理矢理だが、書道とつなげ、炭、墨とした。ただの数字だが、とても苦労した。


「レジメ、六月十七日の箱」
今回上の数字やこのレジメなど、小道具全ても箱の中に入れて行った。



1. 「山の箱」
これは名刺。山田、という名前だったので、たくさんの山を重ねた。



2. 「動く箱」
これは映像の箱。中には「and he does.」と、くるりのばらの花に合わせた映像を入れている。
ポタンを押せば始まる設定にしてある。



3. 「きっかけの箱」
これは僕の友人、中山のブランド、tokoのカタログを入れた。
自分の作品ではないものを、組み替え、組み合わせ、新しい形として見せる楽しさを知った。
作家のことを考え、どんな方向に進むべきなのかを考えた。
初めて広告だとか、デザインだとか、そういう仕事を意識した最初のきっかけ。
自分にとっても、大切なものになった。



4. 「日々の箱 梅雨」
日々、暮らし。生活の中で、あんまり意味はないけど自分はとてもいいと思うものがある。
例えば、刺繍で作っているあじさいのボタン。
例えば、贈り物や、メモをつける時にこんな紙に言葉を書いたらきっと美しいだろう、
そう思って作った日が昇る紙。丸は太陽の形を表している。



5 「描く箱」
大きな絵を以前描いた。今回手直しを加え、自分の頭の中の一部として持って行った。
大きさは50号、120センチくらいだろうか。



6 「原点の箱」
自分の原点はどこかと考えれば、間違いなく書に辿り着く。
今回は臨書一点、雨という漢字を書き連ねたものを一点、箱に入れて持って行った。



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