顔を洗うこと。
ぼんやりしていたら夜の深いところへきていた。
冷めた珈琲を飲み、弱い風船の糸をただ握っているような気持ち。
気持ちの定位置が分からない。
部屋は少しきれいになった。
ごそごそ掃除しては辞めることを三回くらい繰り返していたら、
少しきれいになっていた。
何事も続けていけば、何事かになるとわかった。
今のは文章用の文章だ。そんなこと本当は思っていない。
ただいつもと文体を変えてみようと思っただけだ。
どうでもいいことを書いている。
今のところ、この文の約9割以上が不必要なのだ。
大切なのは、一行目のことばだけ。
立ち上がり、洗面所へ行った。
ぬるま湯になるまで少し待ち、顔を洗った。
洗顔料をつけて洗った。
水と石鹸と言った方が格好はつくが、
うそうそになる。
小説に出てくるような自分になれないことをもう三つ足せば、
ちゃんとヘアーバンドもつけたし、
化粧水とクリームまでつけた。
ふーと顔をあげると、
少し気がましになっていた。
肌が濡れていることも少し心地良かった。
鏡を見ながら、濡れた眉毛はもっと太いなあと思い、
次に、顔を洗うことは気を変えることだなあと思った。
喧騒あふれる街中に、洗顔料とぬるま湯とタオルを置いた店があったら、
買い物に出かけることも、少し楽になるかもしれない、100円だったら利用したいと今思った。
やっぱり9割以上はどうでもいい内容になった。
大切なのは、
顔をあらうこと。と
顔を洗うことは気を変えることだなあと思った。
の部分だけ。
もっと言えば、
顔を洗うことは気を変えることだなあと思った。
だけでいい。
なのでこれを題名にして、この文章を終わりにする。
大事なことは、一番前にあることが多い。
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