どういうわけか分からないけど、昔から切手がとても好きだった。
友達とサッカーしたり、野球したり、そんなことにはまったく興味がなくて、
ばあちゃんと一緒に朝早くから畑に出たり、木を植えたり、野菜の種を蒔くことの方が
よっぽど楽しかった。
切手がいつから好きで、しかも何がきっかけかは忘れてしまったけど、
じいちゃんの書斎に忍びこんでは、昔の封書に貼られている
なんともきれいな切手を見ることがとても好きだった。
あの小さい四角の中に、なんともいえない世界が広がっているというか、
ロマンがあるというか。
そんなことは当時思っていたかは分からないけど、
今はそう思うのだ。
郵便局に行けば、記念切手の一年の発売日の表があって、
発売当日になれば、小銭を握って郵便局に走った。
切手のアルバムみたいなものもきちんと作っていて、
昔と今の少し違ったデザイン、例えば、数字が少し違っていたり、色が変更になっていたり、を横に並べたりして、
自分の宝物だった。
そういう小さな宝物を、こっそり持っていたりして、
学校の友だちには一言も教えなかった。
自分だけの秘め事にしていた。
中学校に入って野球部に入部し(今でも野球は大嫌いだ)、
嫌いなくせにめちゃくちゃ練習を頑張ったり、試合に負けて皆で泣いたり、
鬼コーチに怯えたり、そんな素敵な青春を過ごしているうちに、
あの切手のアルバムはどこかへしまってしまったのだと思う。
それがどこにあるのか、今でも思い出せないけど、
やっぱり、切手は自分にとっての花の蜜のような時間だったなあと思い出す。
手紙を書く時は今でも切手も選ぶけど、
あの時と比べたら全然見なくなったと思った。
今日ふいに郵便局のHPで調べ物をしていたとき、
ページの一角に記念切手がオンラインで買えることを知った。
小銭を持って走らなくても、今はこうやって買えるのかと、
あー時代は進んでいるんだとかそんなことを思いながら、
記念切手が発売される一週間前からドキドキしていた、そんな夜を思い出した。
やっぱり今でも切手は好きだと思う。
そして、やっぱり小銭を握って走ってよかったと思う。
小学校高学年の時に買った2枚で1つの記念切手。あれは意外と気に入ってた。
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