2009/11/15

わたしまるで サンタクロース



中山が入院している。
足の骨を折った。
お見舞いに、今日は茨城へ行ってきた。


元気そうではあるけど、
きっと色々思うことはあるだろう。


彼女は革の鞄をつくっている。
1月から、初めて店に置いてもらえることが決まり、
準備期間だった。
だけども、入院している。
手術もある。
不安は募るばかりだろう。
1月の話も、現状だとあきらめるしかない。


病院というのは、とても暇なところだ。
暇がいけない。
暇があれば、落ち込んでしまう。
ひとり 落ち込む。
すぐに誰かが気づくことはできない。
中山は、そういうところを人一倍見せない。


地元の友達が、本をたくさん置いていた。
飽きないだろう。
いい本も 変な本もたくさんあるのだ。
なので本とか、なんか実用的なものを持っていくのはやめた。


僕はクリスマスを持って行くことにした。
迷惑だろうが、構わず、お茶目を一生懸命しようと思った。


ツリーとか、スノードームとか、飾りとかカードとかお菓子とか
とことんやろうじゃないか。


出来上がった病室は、とてもバカバカしいものになった。


わたしまるで不治の病で、ここから出られないみたい 
と笑った。


笑ったので、茨城までクリスマスを届けてよかったと思った。
ツリーを入れてくれた袋がやたらと大きくて、
これじゃあまるでサンタクロースだな、と駅に立って思った。
ある意味間違っていない。青い袋だったけれど。


中山も笑い、サンタクロース役の僕もうれしくなったので、
お、これは本物のサンタの仕業かな、 と思うことにした。
帰り道、身が軽かったのは、大きな荷物がなくなったから だけではない。
どこからか、微かに鈴の音が聞こえた。
なんて話も、ない。


また行きますよ、中山君。






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