中山が入院している。
足の骨を折った。
お見舞いに、今日は茨城へ行ってきた。
元気そうではあるけど、
きっと色々思うことはあるだろう。
彼女は革の鞄をつくっている。
1月から、初めて店に置いてもらえることが決まり、
準備期間だった。
だけども、入院している。
手術もある。
不安は募るばかりだろう。
1月の話も、現状だとあきらめるしかない。
病院というのは、とても暇なところだ。
暇がいけない。
暇があれば、落ち込んでしまう。
ひとり 落ち込む。
すぐに誰かが気づくことはできない。
中山は、そういうところを人一倍見せない。
地元の友達が、本をたくさん置いていた。
飽きないだろう。
いい本も 変な本もたくさんあるのだ。
なので本とか、なんか実用的なものを持っていくのはやめた。
僕はクリスマスを持って行くことにした。
迷惑だろうが、構わず、お茶目を一生懸命しようと思った。
ツリーとか、スノードームとか、飾りとかカードとかお菓子とか
とことんやろうじゃないか。
出来上がった病室は、とてもバカバカしいものになった。
わたしまるで不治の病で、ここから出られないみたい
と笑った。
笑ったので、茨城までクリスマスを届けてよかったと思った。
ツリーを入れてくれた袋がやたらと大きくて、
これじゃあまるでサンタクロースだな、と駅に立って思った。
ある意味間違っていない。青い袋だったけれど。
中山も笑い、サンタクロース役の僕もうれしくなったので、
お、これは本物のサンタの仕業かな、 と思うことにした。
帰り道、身が軽かったのは、大きな荷物がなくなったから だけではない。
どこからか、微かに鈴の音が聞こえた。
なんて話も、ない。
また行きますよ、中山君。



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