今日。
友達が死んだことを知った。
気を抜いたら忘れてしまいそうな、
心のどこかでずっと引きずったままのような、
なんとも言葉にできない、空白のような気持ちでいる。
彼との思い出は、たくさんではない。
本当にそうなのだ。
書道学科に入って、たまたま同級生になった。
そしてその同級生に馴染めなかった。
心に残ってしまった拭い去れない色のような、すこし痛む思い出となった。
彼がどんな人だったかなんて、僕には言えない。
そんなことは絶対できない。
ただ、断片的な、一年の中で雪の日を思い出すような感じで、
思い出と一緒に、その時の気温を思い出すのだ。
彼は唯一、僕が休学する前に面と向かって話にやって来た。
お前は今どんな気持ちでいるのか、正直な気持ちが知りたいんだ、と言った。
とても寒い夜だった。
同じ同級生として出会って、なのに、何も言わずに消えてしまうのは寂しいじゃないか、
そんなことも言ったように思う。
俺はお前を納得してきちんと応援したいんだ と。
長くはない時間を僕の家で過ごし、彼は帰った。
話に来て良かった、と笑っていた。
それから彼との思い出はしばらく無い。
一年前のゼミ展の時、彼と再開する。
僕はとっくに復学をしていて、そして同級生をできるだけ避けて過ごしていた。
彼に、自分の作品を解説してくれ、と言われた。
照れながらも、何か少し話をしたと思う。
安心したよ。と彼は言った。
自分が見た才能は健在だったと喜んでくれた。
他にもお前の言葉で他の作品への意見を聞かせてくれ、と言われた。
いくら書道を頑張ったとしても、たぶんお前の書道への見解が自分よりもずっと社会の声にに近い気がするんだ と。
僕はそれを断った。
体調が悪くてしばらく実家に帰るんだ、と言い、
元気でな、と彼は帰った。
そして今日、彼が死んでいたことを知った。
感想なんてない。
一人のひとの人生の感想なんて、誰も話すべきではない。
自分の人生ですら息切れしているようなこんな自分たちに。
がむしゃらに熱い男に、心から敬意を表し、ご冥福をお祈りする。
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