夜、母親から電話がかかる。
制作の調子はどうなのかと聞かれる。
その後ろでは父の怒鳴る声がする。
きっと嫌になったのだろう。
嫌になったから、きっと電話しようと思ったのだ。
相変わらず父の声は聞こえて、
ばあちゃんはどうしてるのか尋ねると、
怒り散らしている、と。
父と祖母に挟まれ、毎日を暮らす。
電話は2分30秒。
母の夜は少しでもましになっただろうか。
応援しているよ、と言ってくれる。
帰ってこい、なんて今まで一度も言ったことがない。
姉兄に、メールをしようかと思った。
今家が大変みたいだから連絡して と。
でもそんなことして、二人が電話したら
きっと僕が心配をしていることが分かってしまう。
そしたら、今度は心配をかけまいと、母は電話しなくなるだろう。
作りかけのメールを消して、少し目を閉じてみた。
家は心配することないよ。
心配せずに頑張りなさい、何度も言った声が忘れられない。
今夜もデザインセンターの課題を制作している。
今度は自由。
一番難しい自由。
今回僕は 「くれないの箱」 というテーマに、いくつも箱をを持って行こうと思う。
昔、水引きのことを「くれない」と呼んだそうだ。
今、水引きを作っている。
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